F/A-18 HORNET
U.S. Naval Air
Facility, Atsugi
Wings Air Show
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(マクダネルダグラス)F/A−18ホーネット
F/A-18ホーネットは、米海軍・海兵隊の万能戦闘攻撃機である。
F/A-18は初めから海軍機用として開発された機体ではなく、これに至るまで幾多の変遷を辿った。元となった機体はノースロップ社(現ノースロップグラマン)がF−5戦闘機の次期戦闘機として開発した軽量空戦戦闘機P530コブラだった。P530は残念ながら売れることはなかった。しかし、そこへ米空軍の軽量戦闘機の提案要求が出されたことにより事態は一変する。ノースロップはP530を改良したP600を空軍に提案する。空軍の選定結果、1位はジェネラルダイナミクスのモデル401。P600は次点であった。空軍は双方に2機づつの開発予算を与え、モデル401をYF-16、P600をYF-17と命名し開発が始まった。しかし開発はYF-16が先行し、YF-17が初飛行を1974年6月に行った時点ですでにYF-16は2号機までも初飛行を済ませていた。F-5からの既存技術の蓄積であったYF-17に対し、先進技術を駆使した革新機であったYF-16が最終的に空軍のACF(空戦戦闘機)に選定されている。しかし、ノースロップは悲嘆くれる暇なく、このプロジェクトに並ぶ海軍の次期戦闘攻撃機開発に焦点を移すことになる。
空母艦載戦闘機としてF-14を装備した米海軍は、F-4ファントムUとA-7コルセアUの双方を代替できる航空機として、戦闘・対地攻撃に使用できる安価な航空機の装備を必要としていた。1973年に、海軍次期戦闘攻撃機(VFAX)の研究を開始、1974年春にこの計画が一旦承認された。しかし米議会の横やりで続く1974年8月に米空軍の軽量戦闘機(LWF)の発展型を装備することを勧告され、計画名も海軍航空戦闘機(NACF)に変更された。ノースロップは艦上機開発の経験が無かった。そこで海軍戦闘機では定評のあるマグダネルダグラス(以下MD)をパートナーに選んだ。ノースロップは自らサブコントラクター(従契約者)にまわり、プライムコントラクター(主契約社)をMDに譲る。それは艦上機経験豊富なMDを全面に押し立てた方が海軍機受注に有利とふんだためである。米海軍はNACFをF-16との比較の末、ノースロップYF-17を基にした改修した機体=マクダネルダグラスMODEL267(ノースロップP603)案を、1975年5月2日に選定する。米海軍ではこのMODEL267の採用にあたって、この1機種で制空戦と対地攻撃の両方の任務を賄う為、双方の任務を表す戦闘攻撃機(F/A)を制式名として採用し、これによりこの機体はF/A-18と呼ばれるようになった。
F/A-18は基本設計をYF-17に置いたが、軽量の空戦機を艦載戦闘攻撃機に造り替えるため、改めて設計をやり直すのと同じくらいの作業が必要になった。航続距離を伸ばすため胴体を拡幅し燃料タンクを増設、主翼の翼面積を広げ折りたたみ機能を追加、脚の強化、アレスティングフックの装備などが行われ、総重量は1.5倍になった。F/A-18はF-4よりも総重量は軽いが戦闘機としては400nmの戦闘行動半径を持ち、APG-65パルス・ドップラーレーダーとCW発信器を装備しているためレーダー誘導のスパローミサイルを運用可能だ。IR AAMも使用可能。20mmバルカン砲M61も装備している。爆装用パイロンは5個所、スパローラックは2個所、翼端にはサイドワインダー用レールがある。攻撃機としては通常爆弾24発、6tの外部兵装が可能。スパローやAAMの代わりにFLIRポッドやレーダー照射器装備で、全天候下での航空阻止作戦も可能である。
日本ではF/A-18Cが厚木基地をベースにしているCVW−5のVFA−27,192,195の3飛行隊、岩国基地をベースにしているMAG−12にローテーション配備されている3個飛行隊のF/A−18が各地の航空祭で見られたが、2000年の厚木基地で実施されたウイングス2000以降、厚木基地のオープンハウスでのデモフライトは見ることは出来なくなった。2003年11月にはF-14トムキャットに交代してF/A-18Fスーパーホーネット13機が厚木基地へ配備され、続いてF/A-18Eも配備された。
スペックその他(F/A-18A)
乗員:1名、全長:17.07m、全幅:11.43m、全高:4.66m、総重量(最大):19,969kg、戦闘上昇限度:15,240m、最高速度:Mach1.8、エンジン:F404-GE-400、
価格:2,745万ドル(1987年米国調達価格)