航空自衛隊 初等練習機

去り行くT−3
また一つ、古豪の翼が日本の空から去ろうとしている。航空自衛隊初等練習機 富士T−3。後継機のT−7の配備が進むなか、2005年5月31日に最終I−RAN機#538号がメーカーの工場から出場。関係者に見送られつつ、誕生の地の宇都宮を迎えに来た#512号とともに後にした。もう彼らはここに戻ってくることはない。。


↑ 1997年6月 宇都宮飛行場(I−RAN 試験飛行)


1995年11月 百里基地 訓練展示


2002年9月 T−3改領収(チェイサー) 宇都宮飛行場

 

航空自衛隊の航空機パイロット候補生が最初の訓練のために乗る機体がT-3です。それまで使用されていたT−34Aメンターの後継機として、それを元に富士重工が開発したレシプロ単発の複座初等練習機。スーパーチャージャーと燃料噴射装置付きのIGSO-480エンジンと、ハーツェル製3枚羽根プロペラをT-34Aに搭載したもの。原型機であるKM-2改は1974年9月26日に初飛行、T-3量産1号機は1978年1月17日に初飛行している。1978年3月29日から1982年3月19日までに50機が航空自衛隊に引き渡された。主に第11教育飛行団(静浜)、第12教育飛行団(防府北)に配備されている。2001年10月18日に老朽のため最初の用廃機(81-5506)が出たが、それ以外では今現在まで事故などの損耗機は1機も無い。

■全長 7.94m ■全高 2.92m ■全幅 10.00m■主翼面積 16.5u ■運用重量 1,150kg ■最大離陸重量 1,510kg ■発動機 ライカミングIGSO-480-A1F6、空冷水平対向6気筒(過給器付き燃料直接噴射式)×1器 ■エンジン出力 340hp/3,400rpm ■プロペラ ハーツェルHC-A3X20-1E/9333C-3、直径2.28m/3枚羽根 ■燃料容量 70gal(機内) ■最大速度 340km/h(外部搭載無し時) ■巡航速度 328km/h ■実用上昇限度 24,000ft ■航続距離 820km ■乗員 2名

航空インデックス菊池写真館Top