C12形蒸気機関車について

昭和初期、大都市周辺の通勤列車や駅構内入替用、また短距離区間の列車用の機関車は明治期の機関車の改造等でまかなっていました。これに代るものとして国産の新型タンク機関車が相次いで登場します。この時に登場したタンク車の一つがこのC12形蒸気機関車です。この時代日本各地に簡易線とよばれる鉄路が引かれました。この路線のレール規格の重量制限から同じ時期に製造され始めたC11形よりも軽量の機関車が必要とされました。C12形はこの要求に応えるべく登場し、昭和7年から22年までに293両が製造されました。

C1266は、昭和8年(1933年)に日立製作所笠戸工場で製造され、鹿児島、小牛田、宮古、釜石の各地で活躍していました。諏訪小海線での活躍を最後に昭和47年(1972年)現役引退、そして福島県伊達郡川俣町に静態保存されました。真岡鐵道から復活のために白羽の矢がたったのはそれから約20年あまり後のこと。芳賀広域圏民の共有財産として川俣町より譲りうけたC1266はJR東日本大宮工場で修復作業を受け、平成6年(1994年)に真岡鐵道にて復活をとげることになりました。

C1266履歴

昭和8(1933)年12月、日立製作所笠戸工場製造
S8.12、鹿児島区
S13.1、小牛田区
S13.2、宮古区
S14.9、釜石区
S14.11、弘前区
S19.10、上諏訪区
S47(1972).3.22、上諏訪区から会津若松区へ移動
S47.3.31時点 第1種休車
S47.5.13-14 会津若松から岩代川俣へ保存のため有火回送(松川までEL牽引、川俣線内自走)
S47.5.14 廃車

S47〜H3.9、福島県川俣町静態保存
H3(1991).9.14 川俣町から真岡駅へ陸送留置
H4(1992).12.18 真岡駅からJR大宮工場へ陸送
H5(1993).2.16 復元工事着工
H5.10.14 足入れ式
H5.11.17 火入れ式
H6(1994).2.6〜7 JR大宮工場から真岡鐵道へ回送
H6.2.16〜試運転
H6.3.27〜営業運転

C1266車両諸元■車軸配置:1C1■重量:50.5トン(運転整備)■最大長:11.35メートル■動輪直径:1.4メートル■使用蒸気圧14.0Kgf/cm■最大動輪周馬力:505Ps■最大運動速度:毎時75km■