1412 (形式1400)

(株)トミーテック本社工場
(壬生町)

取材時期:2001年7月

【看板説明】1412蒸気機関車

ドイツ・クラウス社より、1896年(明治29年)九州鉄道が購入し、NO.44とした。1909年(明治42年)鉄道国有化の波の中で九州鉄道管理局に配属。形式1400、NO.1412と改正されて明治、大正の各時代を走り続けた。1927年(昭和2年)に国から払い下げを受けた鹿島参宮鉄道(現、関東鉄道)の鉾田線で1963年(昭和38年)頃迄使用していた。同型の蒸気機関車は、日本に19輌購入され、1400〜1418と指定されていたが、払い下げ後は民鉄や各工場などで活躍していた。だが1960年(昭和35年)迄にその全部が廃車され、ここに設置された1412を除いて解体されてしまった。この型の機関車は、KRAUSS社製の他の10型や1440型と同様のワルシャート・タイプの弁装置を持ち、初めて日本にその弁装置を紹介したものとして評価されよう。またシリンダーと弁室が保守に便利な分解構造になっている。更に動輪のバランスウェイトの一方を小扇形に設計してあるなど現存する貴重な蒸気機関車と言える。

 

主要諸元(看板説明より)

気筒径×行程:379mm×540mm
使用圧力:11.3kg/cm2
火床面積:1.10m2
伝熱面積:77.8m2
(煙管:71.3m2/火室:6.5m2)

運転整備重量:35.9t
水槽容量:5.7m3
燃料搭載量:1.65t
最大寸法(長×幅×高):
9566mm×2515mm×3620mm
動輪径:1120mm

【保存場所の地図】

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LEFT SIDE VIEW。C型配列の動輪、ボイラー上の特徴ある四角い砂箱が見える。車輪、ロッド類はペイントが施されている。せめてロッドを下げて展示して欲しかった。

FRONT VIEW。正面から。クラウスらしいユーモラスな正面形状。形式番号付きナンバープレートがやけに奇麗に見えた。逆にその周囲の汚れがめだつ。展示場周囲は芝生がはられ奇麗にされているように見えるが、なぜかゴルフの練習ボールがあちこちに落ちていた・・・。

AFTER VIEW。後方側から。こちらはナンバープレートのほか、連結器の左右に復元工事を行った日本車輌と、持ち主のTOMYのプレートが付けられていた。

左前付近からボイラー下とサイドタンク下をのぞく。サイドタンクの底には至る所に腐食による”穴”が開いてしまっている。ボイラー下は更に最悪で、野球ボール大の穴が数箇所確認できた。周囲を触わると手で簡単に持ち上がるくらい底がブヨブヨして柔らかく、腐食でボイラー底全体が抜け落ちるのも時間の問題と思われる。

右下面から足回りをのぞきこむ。分解構造になっている特徴あるワルシャート式弁装置が見える。小扇型のバランスウエイトのある動輪も特徴の一つ。

弁装置下を寝そべってのぞき込んだ。シリンダー下部は、ドレン付近から底が腐食により抜け落ちてしまっていた。

キャブ脇に取付けられた製造プレート。ミュンヘン&リンツ 1896 の表記が読める。

関東鉄道時代の1412機関車(田駄雄作さま提供)

撮影は昭和40年3月.。石岡駅にて、常磐線の車窓からの撮影。すでに休車状態の様子。画面右が1412号。左は国鉄形式230形の様。

1412機関車は、おもちゃのまち工業団地の東はずれに近い、トミーテック社の本社工場の敷地内に静態保存されている。コンディションは上述の通りである。説明看板はなぜか、5号機関車と併記されていることから、かつてはおもちゃの駅前に展示されている5号もここに置かれていたものと思われる。外装はリペイントした雰囲気はあるが、各主要部は上述の通り痛みが激しい。今の状態ではまず動態復元どころか現状を維持するのも難しいと思われる。せめて展示した早い時機に屋根かけをして欲しかったと思う。企業内の保存のためそれなりの手入れがなされていることを期待したが少々残念でもある。クラウス機は国内でも現存数が少ないので是非保存に力を入れて欲しい。

この機関車についての諸情報お持ちの方はぜひお知らせください。