【菊池写真館 特別企画】

只見線ロケハンレポート(その参):(会津川口)―只見編

2001年秋。27年ぶりに只見線にSL列車が復活運転した。それに先駆け、主宰自身も行ったことが無かった同線区に赴き、国道沿いを巡りながら沿線のロケーションハンティングを行った。それらを来館者の皆様にご紹介する。

取材時期:2001年9月15日

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【会津川口―本名】。第5橋梁である。対岸の国道から見ることができる。山間にある場所のため意外と露出が厳しいかもしれない。落ち着いた感じに水鏡が写る。ポイントは道幅が狭く駐車スペースがない。

2001年9月試運転より

【本名―会津越川】。第6橋梁である。本名駅付近の国道252号から只見線のガードのやや手前に川縁へ降りていく道があるのでそこを進むとポイント。道が狭い割に住民の往来が多いので注意。取材時は稲刈りが始まっており、刈った稲をハサギ干しにするための木のやぐらが川沿いのガードレールに作られていたのでこれを避けたポイントでカメラを向けざるを得ない。光線は午後は逆光気味。
【本名―会津越川】本名ダムを越え、国道もスノーシェッドをくぐると国道と鉄路は横田付近までしばらく田園地帯を並走状態になる。川縁の風景からのどかな田園風景に切り替わるシーン。支流にかかる小さな橋など里の風景も捨て難いものがある。
【会津大塩―会津塩沢】国道の塩沢橋に並行する塩沢川にかかる鉄橋。結構この類の支流にかかる鉄橋も多い。この位だとお手軽。場所は、会津塩沢からやや大塩よりに800m程戻ったところで「河井記念館前」の看板があるあたり。ここより塩沢よりに中丸橋に並走する鉄橋もある。
【会津塩沢―会津蒲生】ダブルトラスがある第8橋梁である。写真は対岸の国道の寄岩橋から。どちらかというと上り列車むき。下り列車だと後追いになる。ここから更に只見よりへ進むと対岸のサイドから望める所がある。写真の看板の様に「橋上での駐停車するな」という標識が立っている。この橋は歩道が無く、車がすれ違える程度の道幅しかない。他の橋にも同じ標識が立っている橋もあるが、こういった所での駐停車も避けたい。
【会津蒲生―只見】支流の叶津川にかかる橋梁。左に大きくカーブしながら、川と一緒に国道も2回またぐため、橋梁長としては以外に長く感じる。ガーター橋なので列車編成も見えるだろう。写真はインカーブから。手すりはインカーブよりに付いており、アウトカーブ側には無い。いろいろアングルが試せそうだが、アウトカーブよりに国道や民家の集落もありこういったものを画的にどう処理するか悩むところ。アウトカーブより民家の裏山に上って見えそうな場所がある。国道のガード脇から線路端へ上がれるがそこから進むにも水路が延び、それが雑草に覆われていて足元が見えず、山肌も夏草が覆い茂っていて踏み込めなかった。
【只見駅】SL列車の終着駅になる。交換施設のある有人駅。閑散とした雰囲気。駅前広場が結構広い。ホームは島式だが結構シンプルで狭い。蒸気時代の遺構も探したが転車台以外見つけられなかった。写真は小出側から撮影。写真に写っている保線車輌のある線の先に転車台がある。

2001年試運転より只見駅に到着した下り列車

【只見駅転車台】ホームから只見よりにある。手動式のためハンドルが両サイドに付いている。周囲は雑草が伸び放題になっている。動かしている雰囲気はない。奥の庫は何が収容されているのだろうか。2001年の運転では動かせなかったものの、今年は稼動させるため改修工事が行われている。2002年は方向転換が見られそうだ。

ロケハンはここで終了。只見町から国道289号線で南郷村を抜けて栃木県側に入り、国道400号から塩原を越えて西那須野I.C.へ抜けた。途中県境近くの峠付近で豪雨に遭い、コンビニで休憩もしたが、およそ只見から西那須野まで合わせて所要2時間半ほどだった。289号はあちこちで先の大雨のためか土砂崩れや決壊などで片側交互通行や通行止めによる迂回する事があった。

おまけ情報

【第7橋梁】会津横田―会津大塩にあるアンダートラス橋。国道側からアプローチを試みた。鉄路の傍らに町営の野球場がある。橋梁のすぐ西よりにオーバートラスの道路橋ができていた。2001年はこの道路橋から眺めよう試みたが、橋は出来ているものの道路自体は工事中で中に入ることが出来なかったが、現在は工事は終了しており、新たな撮影スポットになるかもしれない。

【車利用のための駐車スペースについて】沿道には所々にパーキングスペースはある。ただパーキングスペース=好撮影地とは限らない。沿線の道路は全般的に道幅は狭く、片側路上駐車すると付近の交通にかなりの支障を来たすであろう。撮影ポイント傍らに車を止められる場所があることは希で、止められても数台というパターンが多い。只見線のダイヤ本数から車で出かけられる方が多いと思われるが、基本的に考えて頂きたいのは、

  1. 車を安全に駐車できるスペースを確保する。
  2. 撮影ポイントまでそこから徒歩でアプローチする。

ということを考えて頂けないだろうか。誰かが路上駐車すれば、その一台が呼び水となり次々と路駐が増え交通渋滞を招きかねないばかりでなく、事故を呼ぶ可能性もある。車が止められなければそこでの撮影を諦めるくらいの気構えで望んで頂けたらこの上ない幸いである。できるだけ余裕を持って撮影に出かけられたし。

【ロケハンの勧め】いくら資料を集めても「百聞は一見にしかず」のことわざの通り、行ってみなければ分からない事は多い。紹介されている写真はその部分だけを切り取っており、そこの周辺の様子やアプローチなどは想像と違っていることが多い。時間的に許せるなら是非一度は沿線のロケハンなどしてみてはいがかでしょう。あなたなりの新しい撮影場所を発見できるかも知れません。(KEI)

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SL&DL 会津只見号(2001年)

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